薫る花は凛と咲く 第2巻 感想『薫子と昂』

画像は「薫る花は凛と咲く」第2巻より 作者/三香見サカ

ここでは薫る花は凛と咲く 第2巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!

あらすじ

『あなただから知りたいと思った』
薫子の言葉で自分には一生関係ないと思っていた世界が少しだけ近づいてきた凛太郎。千鳥だとか桔梗だとかは関係ない、ありのままの彼女を少しずつでも知っていきたいと思えるようになったのも束の間、薫子の友人、保科昂(ほしなすばる)の登場で凛太郎の世界に暗雲が?
そして、千鳥高校では毎年恒例のスポーツ大会が迫る中、中間テストで追試になった生徒は大会に参加できないと担任に宣告された凛太郎と友人の宇佐美翔平(うさみしょうへい)は赤点回避のために図書館で勉強することに。
そこで、偶然薫子とその友人、保科昂が現れて。。。
まだまだ千鳥と桔梗の溝が深い中、凛太郎のとった行動とは。

本巻のテーマ

『昂の気持ち、凛太郎の気持ち。二人の想いは相反するのか』

印象に残ったポイント

  • 千鳥高校いつ面四人組の関係
    友人たちに、薫子との関係をどう伝えるべきか悩む凛太郎。そんな中、あることがきっかけで夏沢朔(なつさわさく)と気まずくなってしまうことに。
    本当は喧嘩なんかしたくない、凛太郎が優しい人間だって心ではわかっているのに、感情が追いついてこない、素直になれない朔の様子にもどかしさと、ほっこりした気持ちが沸いてきます。
  • 保科昂の告白(懺悔)
    本巻の主人公は保科昂と言っても過言ではありません。
    本巻で保科昂という人間がどんな人物であるかを知ることができます。彼女の強さ、優しや、後悔、そしてなにより『弱さ』が鮮烈に描かれています。
    弱さというのは必ずしも悪いことなんかじゃない、そこから伝わる想いも絶対にあります。その想いと向き合った先の彼女の姿に心を打たれること間違いなしです。
  • 優しさの中に自分の芯を持つようになった凛太郎
    これまでの凛太郎は全てのことを諦めて、流れに身を任せて静かに過ごしてきた人間でした。しかし、和栗薫子との出会いや、いつも近くにいてくれた仲間たちとの当たり前の日常が徐々に彼を変えていきます。
    今までならきっと、何もしなかった。何かをすることで、他人から向けられる冷たい感情が怖かった。でも、今はもう後悔したくない。だから怖くても、僅かな勇気を振り絞る。そんな凛太郎の成長していく姿が非常に印象的です。

ストーリーの感想

本巻で語りたいことは沢山あるのですが、今回は保科昂に焦点を置いて感想を書きたいと思います。
それほどに印象に残ったキャラクターだからです。

本巻では、凛太郎、夏沢朔(なつさわさく)、宇佐美翔平(うさみしょうへい)、依田絢斗(よりたあやと)の千鳥高校四人組と桔梗女子高校の薫子、保科昂(ほしなずばる)という構図が強調されて描かれています。
千鳥や桔梗なんか関係ない、薫子の言葉から彼女自身を意識するようになった凛太郎。ただ、彼らの友人たちはそうではありません。そこには『千鳥と桔梗』という絶対的な溝が存在していました。

そんな『溝』が今回のキーポイントとなります。

保科昂にとって、薫子とは子供の頃からの唯一無二の親友であると同時に絶対的なヒーローで、そんな親友に近づく?凛太郎という存在は薫子にとってプラスにはならないと感じていました。
しかしそれと同時に、凛太郎という人間が誠実で優しい人物であることを彼女は心の底で気づいていました。この事で、彼女は非常に悩みますが最終的に下した結論は、凛太郎に対して、薫子とはもう会わないで欲しい、でした。
彼女は凛太郎に対して、しっかりと面と向かってお願いしています。(この点から保科昂という人物が、誠実な人間であるとわかります。)
凛太郎が良い人だと、わかっているのにこの決断を下していることがポイントで、凛太郎のことは認めている部分がある、だけれど、それでも薫子にとってはマイナスになると判断しているのです。
友人として一番近くで薫子の努力を見続けてきた昂にとって、凛太郎ではなく、『千鳥と桔梗』、『凛太郎と薫子に関係ない誰か』が親友の足を引っ張ると、わかっていたのだと思います。
だから、親友が望んでいなくても、嫌われるかもしれないとわかっていても、彼女は『No』を突き付けます。
薫子にとって凛太郎は特別な存在で、そんな優しい親友の特別(凛太郎)もまた優しい人間で、それがわかってしまっている昂の心は徐々に追い詰められていくことになります。

画像は「薫る花は凛と咲く」第2巻より 作者/三香見サカ

彼女の心の内が痛いほど伝わってくるのと同時に、共感?みたいな気持ちも沸いてきて、感情がとても揺さぶられます。
だけれど、昂にとっての親友である薫子もまた、昂を親友だと思っていることを忘れてはいけません。
親友が傷ついているなら、黙ってみている薫子さんではないのです。

キャラクターについての感想

  • 保科昂(ほしなすばる)
    薫子とは昔からの友人。
    銀髪長身の美少女で普段はとてもクールだが、千鳥高校の生徒たちを毛嫌いしており、薫子に近づく凛太郎のことを良く思っていません。
    本質はしっかりと他人を理解しようとする人間ですが、薫子のことになるとヒートアップしがちです。
    最初に登場したときは、しっかり系クール美人という印象でしたが、本巻でとても印象が変わった人物の一人です。
  • 和栗薫子(わぐりかおるこ)
    本巻でも相変わらず強いなぁという印象です。完全無欠な彼女に弱点なんてあるのでしょうかと思ってしまう程に。
    何があっても、自分の道を進んでいく、そんな強い意志を本巻では改めて感じました。

筆者の感想

薫る花は凛と咲く第2巻。
まだ2巻なのにめちゃくちゃ濃いです。濃厚です。ぎっしりです。
千鳥四人組、薫子と昂、凛太郎と昂、沢山のハーモニーがこれでもかっていうくらいに筆者の心を揺さぶってきました。
1巻の時も思ったのですが、共感する場面が非常に多い!
あれ?私この作品の中で彼らをみているのか?って思ってしまう程に共感しています(笑)
それほどまでに没入させてくれる最高の作品です。
皆さんもこの世界に是非是非浸かってみてくださいね!

タイトルとURLをコピーしました