薫る花は凛と咲く 第3巻 感想『伝えたい想い、伝えたい言葉』

画像は「薫る花は凛と咲く」第3巻より 作者/三香見サカ

ここでは薫る花は凛と咲く 第3巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!

あらすじ

『言いたくない・・・ごめん』
もう薫子とは会わないでほしいという昂の言葉が脳裏にちらつき、薫子との関係を友人たちに打ち明けることができなかった凛太郎。
些細なことがきっかけで互いに気まずい気持ちを持ったまま日々を過ごしていく四人。楽しみにしていたスポーツ大会が近づく中、このままで良いはずがない、そんな思いから凛太郎は遂に、ある決断をすることになります。
沢山のことに背を向けて、何もかもを諦めて後悔し続けるなんて、もうしたくない。
そんな想いを胸に薫子と昂を呼び出した凛太郎が、彼女たちに伝えた言葉は。。。
そして四人はまた、笑いあえる日常を取り戻すことができるのか。

本巻のテーマ

『千鳥と桔梗、雪解けの始まり』

印象に残ったポイント

  • 『諦めたくない』を言葉にした凛太郎の変化
    第1巻を読んだとき、紬凛太郎という人間は、自己肯定感が非常に低い人間だと思いました。それが本巻で少しずつ、手探りながらも変わっていく様子が非常に印象に残りました。
    大切なものを目の前にしたとき、人って本当に強くなれるのだと思いました。
  • 千鳥×桔梗という壁に、少しずつ綻びが生じ始める
    学校同士に存在する見えない壁は今でも生徒たちの視界を塞いでいますが、壁越しに見る学校ではなく、自分の目で直接見る千鳥の生徒たちは、彼女、保科昂の目にはどう写ったのでしょうか。
  • 凛太郎が初めて知った感情
    誰もが経験したことがある、あの心がほわっとなる感情を知ることになります。
    遂にかと、こちらまでドキドキが始まってしまいました(笑)

ストーリーの感想

紬凛太郎という人間は常に『諦め』が先行して、自分の想いを伝えられずに生きてきました。それが容姿と相まってこれまで沢山有らぬ誤解を受けてきました。もうこれ以上傷つきたくない、だからもう何もしたくない。何もしなければ傷つけられることもきっとなくなる。そんな想いでこれまで日々を過ごしてきたのだと思います。
それでも、そんな彼の隣には、いつも『友人』と呼べる人たちがいたのです。
いつも当たり前のように隣にいてくれた彼等の存在は、凛太郎の中でかけがえのない存在になっていました。
きっかけは些細なことだけど、これまでなら諦めてしまっていたかもしれないけれど、でも今の凛太郎はひと味違います。
友人たちが掴んでくれた手を二度と離したりしない、そんな強い想いが伝わってくるようで心の中が熱く沸騰していくようでした。

画像は「薫る花は凛と咲く」第3巻より 作者/三香見サカ

保科昂も一歩ずつ自らの道を歩み始めます。
彼女にとって、和栗薫子は親友であり、ヒーローである。
だから、親友を守るためならどんなに他人と自分を傷つけることになろうとも、その美しい顔立ちを凍らせて、ただ冷酷に言葉を紡いできました。
凛太郎がどれだけ良い人間であろうが、『千鳥』が薫子に近づくことは彼女の未来に良くない影響を与えると考えていました。
しかし、凛太郎の真っすぐな言葉や真摯な態度、薫子からの気持ちを受けて、その氷の仮面は徐々に溶け落ちていきました。
そんな彼女がついに本巻で、千鳥四人組と会って、話すことを決心します。
千鳥と桔梗、彼等が入学するずっと前から存在する見えない壁に少しずつ亀裂が入っていきますので必見です。

そして、そして、待っていました、本巻では遂に凛太郎と薫子の水族館デートが見られます!
互いにいっぱいいっぱいで、だけど少しでも相手のことを知りたくて葛藤する二人のやり取りが甘酸っぱくて最高です。
いつでもほしい言葉を真っすぐに伝えてくれる、薫子。
今回のデートでも相変わらず(自覚があるのかはわかりませんが(笑))素直に自分の気持ちを伝えていきます。
凛太郎はというと、彼の中である感情が徐々に芽生えてきて!?

画像は「薫る花は凛と咲く」第3巻より 作者/三香見サカ

キャラクターについての感想

  • 保科昂(ほしなすばる)
    本当はとても優しく、そして沢山自分を傷つけてしまう人間というのが筆者が考えている保科昂という人物です。
    こんな生き方をしていたら、きっといつか壊れてしまうと、作品を読んでいてとても胸が苦しくなったのと同時に、正直気持ちわかるなぁと感じる部分があって非常に共感できるキャラクターでもありました。
    そんな彼女が本巻で遂に千鳥の四人と会って話して、少しづつ変わっていこうという姿勢に本当に応援したくなる大好きなキャラクターだなと改めて感じています。
  • 夏沢朔(なつさわさく)
    千鳥高校に通う、凛太郎の友人の一人。
    普段はクールで、勉強もできて周りの生徒たちからも一目置かれる存在です。しかし、自分の気持ちを表現することが苦手で、それが原因の一つとなり凛太郎と気まずくなっていました。
    しかし、本質は友人の中でも誰よりも仲間を大切に思っており、それを素直に伝えられない非常に恥ずかしがり屋な一面も持つ人間味溢れた最高のキャラクターです。
    本巻では、そんなクールで恥ずかしがり屋な彼の意外で、だけど優しい気持ちに触れることができます。

筆者の感想

薫る花は凛と咲く第3巻。
第2巻で燻ぶっていたもやもやを見事に晴らしてくれる、最高の巻でした。
千鳥四人組どうなってしまうの!?
昂さん、本当によかったね!
凛太郎と薫子の水族館デート!
などなど、本巻も感情フルスロットルで重厚なストーリーとなっています。
今回も、記載させてもらった内容の他にも、素晴らしい場面が沢山あります。凛太郎お母さんの嬉しそうな笑顔とか、もうこっちまで嬉しくなってしまったりとか、四人組の最高の笑顔とか、本当に数えきれない程の魅力で溢れかえっている本作に皆さんも浸かってみてください。
みんな最高だ!!!

画像は「薫る花は凛と咲く」第3巻より 作者/三香見サカ
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