
ここでは薫る花は凛と咲く 第10巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!
あらすじ
昂と凛太郎たちの協力により、千鳥への印象が大きく変わろうとしていた桔梗の友人たちの中で一人だけ、自らが抱えるコンプレックスに押しつぶされそうな少女がいた。
これまで千鳥という存在を心の支えとしていた沢渡亜由美は凛太郎たちを知れば知るほど、自らの足元が崩れていくのを感じていた。
やがて自らを卑下するようになってしまった彼女だが、凛太郎と薫子、そして桔梗の友人たちの言葉で前を向くことを選択する。
そして、薫子に新たな試練が!?
本巻のテーマ
『自分自身が知らない自分、それを見つけてくれた大切な人たち』
印象に残ったポイント
- 少しずつ自分の気持ちを言葉にするようになった夏沢朔の変化
普段は物静かで自分の気持ちをあまり言葉にしない夏沢朔。
しかし、凛太郎たちとの交流を重ね、みんなが伝えてくれる真っすぐな気持ちを受けて徐々に彼の中で変化が起こり始めているように感じます。
誰かが困っているなら助言するし、自ら手を差し伸べる。
本巻では、沢渡亜由美が抱いている気持ちに寄り添って自らの過去を語る姿を見せてくれますが、優しさを言葉で表現するようになった彼の変化が印象に残りました。 - 沢渡亜由美がなりたいもの、それを表現した描写
相手を知ることで、自分の事がどんどん嫌になる。誰しもが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
自分の事は自分が一番わかっている。それはきっと間違っていないのでしょう。しかし、他人が知っている自分も確かに存在していて、それもまた自分なのです。
それを表現したシーンが本当に胸熱で最高なんですよ。。。 - 親にとっての我が子
薫子との交際を両親に伝えた凛太郎は、彼女を自らの家に招待します。
そこで語られる凛太郎の母親、紬杏子と恋人である薫子の女だけの秘密のやりとりがめっちゃ良いです。
これまで沢山傷ついてきた凛太郎。でも、家の中だけは彼を優しく包み込んでくれる素敵な空間だったのではと思います。
大切な我が子の笑顔、それをくれた息子の大切な人、そして何よりそんな二人を出会わせてくれた『Patisserie Plain』という大切な場所。
全ては自分たちの子供の為に、懸命に努力し続けた両親の優しさが結んだ一つの必然だったのではないでしょうか。
ストーリーの感想
千鳥と桔梗の壁、現在の二校の間に存在する見えないけれど大きな壁は両校の生徒同士のことを知る機会すらも奪っていました。
そんな中、意図したものではないにせよ、直接話し合いをする機会を経てお互いを知り、これまで抱いていた先入観が変わり始めた彼ら。
そして彼の間にある壁には少しずつひびが入り始めていました。
そのひびが大きくなっていくことに比例して、桔梗の一人である沢渡亜由美の足元のひび、すなわち彼女が自分自身に抱くコンプレックスも大きくなっていきました。
『足元のひび』と『コンプレックス』の表現が非常に上手くリンクして表現されていて、彼女への感情移入が本当に凄かったです。
自分の事のように感じました。。。
いつも誰かと自分を比較して、劣っている自分が嫌になって、そしてそんなことをしている自分がもっと嫌になってと、悪循環に陥る気持ちはなんとなくわかる気がします。
でも、そんな自分が嫌いな彼女を、友人たちは好きだと言ってくれます。
自分が知らない自分を、薫子たちが知っている沢渡亜由美のことを、沢山教えてくれます。
足元が崩れて落ちそうになっても、手を伸ばしてくれる友人たちに誇れる自分を見つけるために前を向く彼女の強さもまた、彼女が知らない魅力の一つなのかもしれません。

桔梗の友人たちに凛太郎との交際を後押ししてもらえるようになった薫子にまた新たな試練が降りかかります。
それは恋人として初めて凛太郎の家に行くこと!
凛太郎からの申し出を快く受け入れた薫子でしたが、どんな服装で行けば彼の両親に良い印象を持ってもらえるか悩む等、年相応の女の子としての可愛い姿が見られます。
当日出迎えてくれるのは凛太郎の母であり、薫子にとっても顔なじみである紬杏子で凛太郎を含めた三人で和気あいあいとした雰囲気の中、優しい時間が流れていきます。
こういうシーン本当に大好きです。
しかし、杏子が薫子を家に呼んだ本当の理由は他にあって、それはたった一つのことを確認する為でした。
『凛太郎のどんなところを好きになってくれたの?』
どんなところが”好きなの?”ではなく、どんなところを”好きになってくれたの?”というところがポイントで、そこには好きだけではない、杏子から薫子への深い感謝の意味が込められているように感じました。
高校に至るまで、誰にも見つけてもらえなかった優しい我が子を、大切な凛太郎を見つけて、そして好きになってくれた和栗薫子という女性への敬意が表現されているのではと思います。
あと、何より母親として嬉しいという気持ちもあるのかなと(笑)
この問いに対する薫子の答えも本当に素晴らしくて、涙腺が壊れること間違いなしです。
親は自分が思っている以上に自分の事を大切に想ってくれている。
親にとっては子供は一生、大切な我が子なんですよね。


キャラクターについての感想
- 沢渡 真由美(さわたり まゆみ)
自分自身のことが嫌いになりかけてしまいますが、そんな自分を好きだと言ってくれる友人たちがいて、崩れた足元から落ちそうになる自分に手を伸ばしてくれる友人たちのその手を取ることを選択します。
きっとこれからも自分を情けなく思う時がくる、でもそれでも、もう決して落ちないように歩み続けたいと決意する彼女が本当に格好良いです、 - 紬 杏子(つむぎ きょうこ)
何気ない日常を、大切な息子に与えていた最高の母親である彼女が、本巻で手にする温かな想いはこれまで頑張ってきた彼女への報酬なのだと思いました。
いつか優しいこの子をみつけてくれないかなと願っていた気持ちがようやく届いた最高の10巻でした。
筆者の感想
薫る花は凛と咲く第10巻。
本巻の表紙最高過ぎです。読み終えた後にもう一度みると更に最高です。
本巻、今回書かせていただいた内容の他にも、もっと沢山の物語が詰まっています。
どれも最高でキャラクター一人ひとりの想いが本当に細かく表現されていて素晴らしいんです。
皆さんも『薫る花は凛と咲く』の世界観に浸ってゆっくり過ごしましょう!
第11巻感想はこちら👇
薫る花は凛と咲く 第11巻 感想『颯太郎と凛太郎』 | 午後の一休み
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