薫る花は凛と咲く 第16巻 感想『凛太郎の目指したい夢』

画像は「薫る花は凛と咲く」第16巻より 作者/三香見サカ

ここでは薫る花は凛と咲く 第16巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!

あらすじ

ケーキ作りは楽しい、けれどパティシエが目指すべき職業なのか自分の中で答えが出ない凛太郎は、薫子と一緒に自分を変えるきっかけをくれたケーキ屋を訪れる。
沢山のケーキがショーケースに並ぶ中、そのどれもに目を奪われ、それと同時に芽生えてきたのは、昔は感じなかったある感情で。
一方、怜央との仲直りのきっかけをくれた昂に感謝の念を抱く朔は気付けば彼女を目で追うようになっていて、そして心の中に一つの感情が芽生えていることに気付く。
沢山の思いが交錯し、素敵な思い出に彩られた一年が終わり、そして高校最後の一年が始まる。

本巻のテーマ

『心が温かくなるような・・・』

印象に残ったポイント

  • 凛太郎が目指したい夢、きっかけをくれた少女
    パティシエという職業を自分の進路として決めてよいものかずっと悩んできた凛太郎。ケーキ作りは好きだし、続けていきたい事ではあるけれども、その理由だけで決めてしまうことに違和感を感じていたんですね。
    それでも、人生の先達者たちから沢山の意見を貰い、凛太郎なりに自分が形作りたい未来のピースを一つひとつ当てはめていきます。
    そして、最後のピースはやはり、あの”大切な人”なんですよね。
  • 夏沢朔にとっての保科昂とは
    飛鷹怜央との仲直りのきっかけを作ってくれた昂。
    出会い方は最悪だったけれど、どんどん成長して素敵な女性になっていく彼女から気付けば目が離せなくなっている朔は、自分の中にあるその気持ちと向き合うことになります。
  • いつも強く在り続ける薫子の唯一弱音を吐ける場所
    目の前で母親が倒れてしまったのを見た薫子は友人たちと家族を安心させるために、冷静にいようと努めます。
    いつものように気丈に振る舞う彼女でしたが、まだ大人になりきれていない高校生の少女にとってそれはとても辛いことであり、到底一人で支え切れるものではありません。
    そして、そんな彼女を放っておく凛太郎ではありません。
    出会って、友達になって、恋人になって少しづつ紡いできた関係は、今ではこんなにも大きくかけがえのないものになっていることを実感させてくれます。

ストーリーの感想

沢山の出来事があった思い出の高校二年も終盤に近付く頃、自分の進路について真剣に向き合っていた凛太郎は、両親や担任教師の塚田先生にアドバイスを貰いながら、自分が納得するための糸口を探すために奔走します。
そして、遂に凛太郎のルーツとも言えるあの場所に向かうことになるのです。
そう、それは凛太郎が髪を金髪に染め、ピアスをするきっかけとなった場所、昔家族全員と一度だけ訪れたケーキ屋です。
そこで凛太郎が目にするのは柔らかい雰囲気の店内、楽しそうにケーキを作るスタッフ、幸せそうにケーキを食べるお客さんたちで、一瞬、彼自身も過去訪れたあの日に戻されてしまった様な感覚を覚えます。
しかし、ショーケースに並んでいる宝石のようなケーキをみて、それを食べた”今の凛太郎”が浮かべる表情はどのお客さんたちとも違っていたんですよね。
凛太郎が浮かべていたのは、悔しさが滲み出た苦い表情だったのです。
悔しいという感情は勝負に負けた時とかに出る感情であって、それってつまり凛太郎にとってケーキ作りとは、誰にも負けたくない唯一のモノになりつつあるのかなと感じました。
沢山のピースが集まり、目指したい夢を形作ることが出来た凛太郎ですが、思い返してみれば、パティシエとして最初のお客さんは誰だったのかを考えると、きっかけをくれたのは大切なあの人なんですよね。
自分が作ったケーキを幸せそうな表情で食べてくれる存在が凛太郎の背中を押してくれていたと考えるとなんだか素敵ですよね。

画像は「薫る花は凛と咲く」第16巻より 作者/三香見サカ

前回、T大模試で偶然再会したかつての級友との仲直りのきっかけを作ってくれた保科昂を気付けば目で追ってしまっている朔は、自分の心の中にある気持ちに気付いていました。
出会い方は最悪だったけれど、時間を重ねるごとに徐々に人として優しく、強く成長していく彼女を近くで見てきた一人の友人として、最初は憧れであったその気持ちは今では全く別のものに変わっています。
最初はおどおどしっぱなしで天然連発の昂でしたが、友人の為に奔走する姿が本当に格好良くて、そしてそんな彼女に最初に惹かれてしまうのが朔だったことに少しだけ驚きました。
作中で『好きだなんて伝えたいとは思えない』と考えている、そのもっと奥深くの感情は果たしてそうなのでしょうか?
凸凹のようで似た者同士のこの二人の今後に目が離せないですね(笑)

画像は「薫る花は凛と咲く」第16巻より 作者/三香見サカ

朔&昂が今後どうなっていくのかとても気になるところではありますが、凛太郎&薫子の素敵な関係も本巻でみることが出来ます。
薫子の母親が倒れたことをきっかけに、一年前の事を思い出して心が締め付けられてしまう薫子でしたが、そんな彼女の辛い感情を受け止めてくれる凛太郎がめちゃくちゃ格好良いです。
和栗薫子という女性は、持ち前の明るさと優しさから基本的に誰かに頼られる側の人間で、自分が誰かを頼るという発想がないんですよね。
もっと頼って良いんだよ!!(泣)
発想がないだけで、心の奥底では誰かに助けて欲しいと思っている。一年前、そんな彼女を助けてくれたのが外見怖めの優しい青年だった訳で、今度は一緒に背負って手を繋いで歩いていこうと言ってくれた彼とそんな彼の手を握る彼女の姿が本当に素敵で最高のカップルなんですよね。。。

キャラクターについての感想 

  • 紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)
    自分の将来と真剣に向き合って、悩んでいる姿が羨ましくもあり、第一巻の頃と比べると本当に成長しているなと感じさせてくれます。
    これまでは薫子に引っ張って貰っていたところもありましたが、本巻で隣に立って歩き始めた感じが最高です。
  • 夏沢 朔(なつさわ さく)
    いつも一線を引いていたようなかつての面影は最早無く、凛太郎たちと同じ時間を過ごす中で他人への思いやりの感情が一番大きく成長したキャラクターだと思います。
    昂への感情を今後どのように扱っていくのかめっちゃ気になります!

筆者の感想

薫る花は凛と咲く第16巻。
私自身、進路についてこんなに真剣に向き合ったかな?絶対に向き合ってないと一瞬で思考完了した私でしたが、大人になって誰もが感じる、あの時もっと真剣に考えておけばって思う今日この頃です。
それでも毎日楽しいですけどね!
朔と昂の関係の変化が顕著に現れ始めましたね。この二人はとても好きなキャラクター達なので二人の今後がどうなっていくのか期待せずにはいられません。

第17巻感想はこちら👇
薫る花は凛と咲く 第17巻 感想『和栗薫子の夢と家族』 | 午後の一休み

学生恋愛マンガおすすめもあわせてどうぞ👇
【2025年版】🎓青春って、甘酸っぱい!10〜30代に刺さる学生恋愛マンガおすすめ5選 | 午後の一休み

コメント

タイトルとURLをコピーしました