薫る花は凛と咲く 第20巻 感想『張崎杏子と紬圭一郎』

画像は「薫る花は凛と咲く」第20巻より 作者/三香見サカ

ここでは薫る花は凛と咲く 第20巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!

あらすじ

『この店で働きたくて来ました』
自然と口からこぼれた言葉は、凛太郎にとってずっと心の奥底にあった違和感を吹き飛ばすほどの力を秘めていて。
口にした後悔よりも、目の前の道が大きく広がったことに嬉しさを感じた凛太郎は店で働く条件として店主のリュカ・デュランからある提案を受けることに。
少しずつだけれど確実に大人の階段を昇り始めた少年少女達が紡ぐ青春ストーリー第20巻!

本巻のテーマ

『貴方(貴女)と出会い、そして新しい自分を知った』

印象に残ったポイント

  • はっきりと言葉で表現できる関係性が素敵!
    凛太郎と薫子が恋人同士になってから一年の時が流れました。
    当初は初々しさ全開だったその関係性も時を経て、今ではお互い言いたいことを言いあえる間柄になりました。
    薫子が自分の夢に一歩踏み出せなかった時も、凛太郎がチャレンジすることを怖いと言った時も、お互いに”支えさせてほしい”と言葉にしたことは、紛れもない信頼の証なのだと感じました。
  • 人生の先達者がめちゃくちゃ格好良い!
    19巻から大人たちの格好良さが際立っていましたが、本巻もそれは健在です!
    受け入れる者。送り出す者。
    子供たちを陰ながら見守り、そして導く存在として、普段は決して口には出さないけれど大切な我が子を想う気持ちがとても伝わってきて涙が止まりません(泣)
    ”大人ってかっけぇ。。。”
    何回でも、無意識にそう口にしてしまう展開が最高なんです。
  • 待っていました!圭一郎と杏子の恋物語!!
    本巻では凛太郎の両親である、紬圭一郎と杏子の学生時代の出会いから二人が惹かれ合うまでを描いたストーリーが綴られています。
    これまで颯太郎と凛太郎、二人を立派に育てたご夫婦として、時折その素敵な関係性についても触れられてきましたが、今回遂に二人の恋物語をみることができます!
    普通ならきっと、この二人の人生は交差することはなかったのではないか?私達読者にそう思わせる程、相反する性格の二人がどのようにして出会い、そして惹かれていったのか。
    本作らしく、丁寧な描写と言葉で優しく綴られる展開は必見です!!

ストーリーの感想

憧れから、目標へ。
自分の人生を大きく変えてくれたケーキ屋『Patisserie Noisette』の門を叩いた凛太郎は、店主であるリュカ・デュランに対して”いつか超える”と言ってのけます。
そして、その夜に後悔で打ちひしがれます(笑)
そんな一人反省会中に悶絶する凛太郎がとても可愛らしくて最高なのですが、本人にとってみれば失礼なことを言ってしまったとか、『あなたを越えます』なんて宣言してしまったのでそれは悶絶もしますよね。
それでも、きっと凛太郎はこの日の事を良い意味で一生忘れないだろうなとも感じました。
薫子に出会う前の彼は、自分のやりたいことを主張するどころか、したいことを思い浮かべることすらしない人間でした。
ですが、今の凛太郎は、憧れの人を目の前にしても物怖じすることなく堂々と自分の在りたい姿を宣言できるほどに成長しているんですよね。
そんな、今では逞しい凛太郎ですが、勢いに任せて行動して、後悔するところを見ているとまだまだ伸びしろ十分って感じがして良いですよね。
そんな後悔に悶絶する恋人の懺悔を、微笑ましく思いながらも優しく受け止めれくれる薫子さんもめちゃくちゃ良い味出してます。
凛太郎と薫子が各々成長していくのと同時に、二人の恋人としての関係性も寄り添いあうものから、支え合う関係に変わってきている、そんな感じが伝わってくる最高のシーンが描かれています。

画像は「薫る花は凛と咲く」第20巻より 作者/三香見サカ

やりたい事、チャレンジしてみたい目標に向かって歩き始めた凛太郎たち。
これまでの物語ではその道に至るまでの葛藤が綴られてきました。
凛太郎と薫子だけではなく、その友人である朔や昂たち皆についてフォーカスされているのが本作の魅力の一つと言えるでしょう。
そして、登場人物愛が溢れんばかりの本作では、19巻に引き続き本巻でも凛太郎に目一杯の愛情を与えてくれた両親、紬圭一郎と杏子の過去話が描かれています。

ずっと待っていました。。。

寡黙な夫と、パワフルな妻。
真逆な性格をしている二人がどのようにして出会い、そして惹かれ合ったのか、本巻でたっぷりと描かれていますので必見です。
導入は”張崎”杏子のモノローグから始まります。

『洋菓子と和菓子が目の前にあったら、洋菓子は選ばないと思う。甘くふわふわとした匂いが得意じゃないから』

!?
夫と大人気ケーキ店『Patisserie Plain』を経営する今の杏子さんからは、少し想像しづらい台詞ですよね。
しかし、これが当時高校生だった張崎杏子の素直な気持ちなんです。
しかも二人の出会い方は最悪な上に、成り行きで圭一郎が作ったケーキを食べた彼女の反応は、『ふつう・・・・・・』。
この二人大丈夫!??
現在と変わらず過去の杏子さんも、ど真ん中ストライクを全力投球するのは同じみたいですね(笑)
そして、思わずクスっとしてしまう二人のやりとりが最高です。
一方、普通評価を受けた圭一郎は落ち込むどころか、むしろ喜び、素直に感想を言ってくれる正直な杏子に作ったケーキの味見役を頼みます。
これを機に二人の秘密の放課後が始まります。

画像は「薫る花は凛と咲く」第20巻より 作者/三香見サカ

次々に新しい表情を出す杏子とそれを見つめる無表情な圭一郎。
感情の起伏が少ない少年の目に、あまりにも新鮮だった少女はどのように映っていたのか。
いつでも全力で誰かのために頑張り過ぎてしまう少女の目に、楽しそうにケーキを作る少年はどのように映っていたのか。

ずっと前だけを見て歩いてきた。
でも、いつの間にか、隣を見て歩く時間が増えていった。
そんな気持ちを連想させてくれる素敵な二人の、恋物語をどうか皆さんも感じてみてください。

キャラクターについての感想 

  • 紬 圭一郎(つむぎ けいいちろう)
    高校時代は毎日放課後に家庭科室でケーキ作りをしていた少年。ケーキが大好きなのはやはり昔からなんですね。
    だけど、この時の彼は、ケーキを作るうえで大切な何かを見つけるために努力し続けられる強い人間だと感じました。
    今の凛太郎と同じで、この親にしてこの子あり、まさにこれでしたね。
  • 張崎 杏子(はりさき きょうこ)
    圭一郎に敬語を使っているのが凄く違和感でした(良い意味で)。
    あまりにも寡黙すぎる圭一郎の素敵なところを見つけ出した目利きの人間でもありますね。
    めちゃくちゃ好きなキャラクターです!

筆者の感想

薫る花は凛と咲く第20巻。
圭一郎&杏子の過去話が最高過ぎて幸せな気分になってます。
第四巻で少しだけ描写されていた、若かりし頃の二人がベンチに座っているシーン、それが遂に本巻で描かれたので、答え合わせが出来た気分です。
沢山の登場人物たちがいるなかで、それぞれ深掘りしてくれる作品て珍しいですよね。
だからこそ、この作品の事が大好きですしこれから紡がれる物語もとても楽しみです。

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