薫る花は凛と咲く 第5巻 感想『沢山の伝えたい事』

画像は「薫る花は凛と咲く」第5巻より 作者/三香見サカ

ここでは薫る花は凛と咲く 第5巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!

あらすじ

薫子の誕生日が近づく中、自作のケーキをプレゼントすることに決めた凛太郎。父親であり、実家のPatisserie Plainの店主でもある紬圭一郎(つむぎけいいちろう)に指南を受けながら薫子へ送るケーキ作りに励む中、遂に薫子の誕生日を迎えることに。
初めて自分からケーキ作りをやりたいと思った。彼女に喜んで欲しい、笑顔になって欲しい、そんな想いを込めて作ったケーキを受け取った薫子の反応はいかに。
そして、辛い期末テストを終えて待ちに待った夏休みに突入した凛太郎たちは皆で海に行くことに。
それぞれ期待を胸に抱きながら皆で過ごす初めての夏休みが今始まる。

本巻のテーマ

『想いを伝えることも、友達になることにも、理由なんて必要ない』

印象に残ったポイント

  • ケーキに込めた想いが良い
    薫子への誕生日プレゼントにと悩みに悩んで選んだ物は『ケーキ』で、それに『笑って欲しい』という想いを込めて父親でありパティシエの圭一郎に指南を受けながらなんとか完成させます。
    無数にあるプレゼントの候補の中から、彼女の好きなもの、そして彼女に伝えたい気持ちを込められるものとして『ケーキ』を選んだのは、きっと凛太郎にとって大きな意味を持つのだと感じました。
    そのケーキを食べる薫子にも注目ですよ。
  • 真面目過ぎるがゆえに良さが引き立つ保科昂という少女
    保科昂(ほしなすばる)は凛太郎たち千鳥組とも徐々に打ち解け始め、本巻で親友である薫子も含め海に遊びに行きます。
    そこで、皆に対して”あるお願い”をするのですが、改めてこの少女は真面目過ぎる!でも、そんな彼女だからこそ皆彼女に手を伸ばすのだろうなって少しだけ羨ましい気持ちにさせてくれるんですよね。
  • ずっとずっと続いていくと感じさせてくれる薫子の言葉
    夏休み、友人たちと過ごす楽しい時間。誰しもがこのまま終わってほしくないと思いますよね。
    楽しいことの終わった後って言い知れぬ不安というか、その先が街灯の無い道が続いているような気がして怖いですよね。
    凛太郎もその楽しい時間がずっと続いてほしいと心から願って止みません。しかし、楽しい時間も必ず終わりが来ます。街灯が無い道が続いていきます。
    でも、そんな彼の隣には『彼女』がいて、その言葉でそっと足元を照らしてくれます。

ストーリーの感想

凛太郎にとって和栗薫子という少女は、自分の価値観、世界観を180°変えてくれた恩人で、きっと彼女にはそんなつもりが一切ないのだろうけれど、間違いなく彼自身の一歩を踏み出させてくれた人物です。
不器用で恥ずかしがり屋で、それでも薫子に感謝の気持ちを伝えたい、いつものように笑って欲しい、そんな想いから作り上げたケーキ。
真っすぐな言葉を添えて一生懸命作ったそれを渡す凛太郎と受け取る薫子のやりとりがとても甘酸っぱくて、とても優しくて本当に最高です。
好きになった人が自分のために作ってくれたケーキを口にする薫子の感じる想いや、心からあふれ出てくる気持ちが伝わってきて温かい気持ちにさせてくれます。

画像は「薫る花は凛と咲く」第5巻より 作者/三香見サカ

遂に始まった夏休み、凛太郎たち千鳥組と薫子と昂の桔梗組の計六人で海へ行くことに!
夏の海にテンションが上がる面々の中で一人数歩身を引く人物、保科昂はモヤモヤを抱えながら皆の後をついていきます。
んん!?
以前、千鳥組とは和解して仲良くなってなかった?と思いながらも、その様子を窺っていると、彼女は真剣な表情でみんなに自分の伝えたかったことを打ち明けます。
過去のトラウマから男子と接することが苦手なこと、しかし、凛太郎たちと接していくうちに自分の中にあった価値観を壊していってくれたこと。
そして何より、こんな面倒な自分を面倒がらずに接してくれるみんなと『友達になりたい』と、告白するのです。
とても真剣に、真摯に、そう皆に伝えます。
なんというか、真面目過ぎる!?と思ってしまう場面ですが、これが保科昂という人間なんだろうなと思いました。
真面目で真っすぐで薫子の為なら苦手な男子にも迷いなく向かっていく、そんな友達想いの、唯々優しい少女なんですよね。
そんな彼女の告白を受け止める凛太郎たちの答えにも注目です!

画像は「薫る花は凛と咲く」第5巻より 作者/三香見サカ

友人たちと過ごす楽しい夏休み。楽しい海での時間も、あっという間に過ぎ去っていき、終わり際に訪れる少し寂しい気持ちが凛太郎を襲います。
この気持ちはめちゃくちゃわかりますよね。。。
凛太郎にとってはこの時間は本当に楽しくて大切で、初めて経験する友人たちとの最高の時間だからこそ終わってしまうのがさみしいと思う気持ちが大きいのだと思います。
この時に薫子としている線香花火がまた絶妙に凛太郎の気持ちを表していて悲しい気持ちになるんですよ。

『・・・終わってほしくねぇな』

そんな彼の呟きに、しかし、黙っている薫子さんではないのですよ。

『・・・じゃあ、次はどこ行こっか?』

そう言って新しい線香花火を渡す彼女は、次に何をしようかとか、どこにいこうかとか次々と凛太郎に提案してきます。
今日が終わっても明日は続いていきます。
それは悲しい未来ではなく、きっと楽しい未来なんだと言っているようで、薫子の優しさや強さが何気なく表現されていて本当に凄いなと改めて感じました。

キャラクターについての感想

  • 紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)
    一巻から比べると確実に成長していると思いました。
    一人で抱え込まない、自分の意見を共有する、やりたいと思ったことを周りを巻き込んでやる。
    どれも以前には見られなかったものです。
    物語はまだまだ続いて、これからどんな風に凛太郎が成長していくか楽しみです。
  • 和栗 薫子(わぐり かおるこ)
    凛太郎から誕生日プレゼントのケーキを受け取るときの気持ちと、それを食べている時の彼女の気持ちから凛太郎への想いが伝わってきました。
    言葉は多くないのに、とてもうまく表現されていて本当に凄いと思いました。

筆者の感想

薫る花は凛と咲く第5巻。
沢山の想いが交錯して見事なハーモニーを奏でています!
心がキュッと締め付けられるシーンもあれば、それをそっと包み込んでくれる優しさもあって絶妙なバランスで本当に凄いです。
本巻は伝えたい気持ちを言葉にするシーンが多いですが、その伝え方が本当に上手く描かれていて最高です。ありがとうございます。
誕生日プレゼント、海での出来事、これまでの何気ない日常を経て凛太郎と薫子の距離はどんどん近づいているように感じます。
二人の今後に目が離せませんね!

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