薫る花は凛と咲く 第6巻 感想『言葉で紡いでいく最高の恋物語』

画像は「薫る花は凛と咲く」第6巻より 作者/三香見サカ

ここでは薫る花は凛と咲く 第6巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!

あらすじ

夏休み、薫子と過ごす時間に楽しさや優しさ、温かさを感じていた凛太郎は、それと同時にそれが過ぎ去っていくことへの寂しさも感じていた。
そんな彼の思いに手を差し伸べるように紡がれる薫子の言葉、そんな彼女の言葉に突如想いが溢れ、『好きです』、思わずそう零してしまった凛太郎。
この出来事をきっかけに、凛太郎は薫子に自身の想いを伝えることを決心する。
そして舞台は二人きりで出かける”夏祭り”へ。

出会った時から、沢山の勇気を貰ってきた。
気が付けば自らの想いを口にしてしまう程、彼女の事を意識するようになっていた。
優しい二人が紡ぐ淡い恋の物語、その行方はいかに。

本巻のテーマ

『沢山の想いを”あなた”へ』

印象に残ったポイント

  • 凛太郎が言葉にする”我儘”
    凛太郎にとって、和栗薫子という少女は自分を良い方向へと変えてくれた特別な存在で、そんな彼女と過ごす時間が、頻繁に見せてくれるその笑顔が何よりも大切であると同時に、それだけで十分だと自分に言い聞かせていました。
    薫子たちと友達になれたこと、翔平たちに本音を話せるようになったこと、家族にありがとうと言えるようになったことも全て、凛太郎の努力が生んだ結果であることは間違いないと思います。
    そうすることが出来たのは、彼女の言葉が背中を押してくれたから。
    そんな彼女との時間をこれからもずっと続けていきたい、それは凄く欲張りで、自分勝手で、とても我儘なことだと凛太郎はそう言葉にします。
    果たしてそれは、本当にそうなのでしょうか。
  • 紬凛太郎という人間の本質
    本巻では紬凛太郎という人間の本質が薫子の口から少し語られています。
    きっとあなたも凛太郎という青年をもっと好きになると思います。
  • 和栗薫子が強く在る理由
    和栗薫子の印象と言えば、とても明るくて、才色兼備の完璧な少女である。
    そして沢山食べることも忘れてはいけないですね。
    しかし、完璧な人間なんてきっと存在しません。それはきっとマンガの世界の登場人物だけだと思います。
    彼女も例外ではなく、まだ高校生の小さな女の子です。
    そんな彼女がなぜ、私たち読者の目に強く映るのか、それが回想形式でとても綺麗に語られていてそれが本当に素晴らしいんですよ。

ストーリーの感想

夏休みが始まり、六人で海に遊びにいった夜、線香花火の小さな光が凛太郎と薫子を照らす中、凛太郎の口から出た、終わって欲しくないという言葉。
六人で過ごす夏休みは最高に楽しくて、幸せで、この先もずっと続いて欲しくて。
そう思うのと同時に、そんな時間を作るきっかけをくれた目の前の少女、和栗薫子との時間を終わらせたくなくて、気付けばそんな気持ちを言葉にしてしまっていました。
そして、線香花火が小さく瞬く短い時間の中で、浮かんでくるのは彼女の事ばかりで、溢れ出てくる想いの最後に出てきたのは『好きです』という言葉でした。
それは、本当に自然に出てきた言葉で、凛太郎自身も言ったことを驚いてしまう程に気が付けば紡がれていたものでした。
そんな自分に驚くのと同時に、改めてしっかりとその想いを薫子へ伝えることを決心します。
凛太郎はこの気持ちを”我儘”だと表現しますが、それでもその気持ちを伝えることを決めたのはとても大きな成長だと思います。
これまでの彼なら絶対にその気持ちに蓋をしていたはずです。
そして、二人きりで行く夏祭り。屋台を巡りいつも通り楽しい時間を過ごす中で遂に、互いのこれからに向き合う瞬間が訪れます。
ここから、ゆっくりと互いの気持ちを言葉として紡ぎ合い、綺麗に重なっていく描写が本当に美しくて優しくて、構成も絵もとても素晴らしくて涙止まらないですよ。。。

画像は「薫る花は凛と咲く」第6巻より 作者/三香見サカ

本巻では、薫子が初めて凛太郎と出会った時のことが回想として描かれています。
そして、凛太郎にとって薫子が自分を救ってくれた存在だと思っているのと同時に、彼女にとっても彼がそうであることが語られています。
辛いことが重なって、泣きたい気持ちをぐっと堪える中、目に入ったのは『Patissene Plain』というお店で、そこで食べたケーキと一人の金髪長身の店員がかけてくれた言葉に彼女は元気を貰います。
完璧だと思っていた薫子の意外な一面にとても驚きますが、彼女も凛太郎と同じ高校二年生で、大人になるための階段を一生懸命に上る一人の人間なんですよね。
明るくて元気な彼女の一面も、沢山の過去の経験が積み重なって出来ているんだと認識させられます。

画像は「薫る花は凛と咲く」第6巻より 作者/三香見サカ
画像は「薫る花は凛と咲く」第6巻より 作者/三香見サカ

あなたにとっては当たり前のその優しさが 私には特別で 苦しくなるほど嬉しかった

苦しくなるほど嬉しかったという表現、凄くないですか!?
どうしようもなく辛いという感情で埋め尽くされた心の中をキュッと締め付けられるような優しさで置き換えられていく彼女の感情がとても独特に表現されていて凄いと思いました。
このやり取りを、凛太郎が覚えていないのが、おおぉい!!と思わず声に出してしまいそうになりますが、『その方が私は嬉しい』と話す薫子。

きっとあなたは あの時居たのが誰であっても 同じことをするんだろうなって

この言葉が薫子だけが知っていた紬凛太郎という人間の本質なのだと、恥ずかしながらようやく理解しました。。。
一方的な言葉だけではない、互いの言葉を紡いで徐々に近づいて行った二人の距離が限りなく近づいていく最高の6巻です。

キャラクターについての感想

  • 紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)
    強面で高身長という見た目から、幼少の頃より沢山傷ついてきた少年。
    何もかもを諦めて、自分の意志に蓋をして当たり障りなく生きていこうと思っていた中で、それでも他人に向ける思いやりの心だけは人一倍持っていた青年。
    そんな彼は自分の知らないうちに誰かの心を助けて、そして自分も助けられていたことに気付くことになります。
    彼の成長に本当に心を打たれますね。
  • 和栗 薫子(わぐり かおるこ)
    とても明るくて、才色兼備の完璧な少女。
    でもそれは彼女がそうありたいと努力した結果の姿であって、その内は誰にも見せていませんでした。
    辛いことがあって、どうしようもなくて、そんな中出会った青年に元気を貰って、そんな彼にまた会うために薫子は走り始めます。
    強さと弱さがどちらも彼女を形作る重要な要素としてしっかりと描かれているのが本当に素晴らしいです。

筆者の感想

薫る花は凛と咲く第6巻。
何度でも言いますが、毎秒泣いてます(笑)
本巻で凛太郎と薫子の関係が一つの節目を迎えますが、まだまだ始まりに過ぎません。
二人の関係だけでなく、他のメンバーの話ももっともっと読みたい!そんな期待を抱きながらこれからの『薫る花は凛と咲く』を楽しんでいきたいと思います。

第7巻感想はこちら👇
薫る花は凛と咲く 第7巻 感想『夏沢朔と宇佐美翔平』 | 午後の一休み

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