
ここでは薫る花は凛と咲く 第9巻の内容について少しだけ紹介します♪
気になるポイントを紹介しますので是非見ていってください!
あらすじ
薫子との交際を彼女の友人たちに知られてしまった凛太郎。
『凛太郎くんと一緒にいたいから頑張る』
そう言い気丈に振る舞う薫子の姿に何かできることはないかと凛太郎は迷わず動き出す。
昂にも協力してもらい、薫子の友人たち、そして凛太郎を含む千鳥組で話し合いの場をセッティングすることになり。
そして、薫子を守りたい凛太郎はこれまで自身の支えとしてきたあるモノに別れを告げることに。
本巻のテーマ
『自分自身を好きになれなくても、誰かがあなたを好きでいることは忘れないで』
印象に残ったポイント
- 一緒にいることの理由は単純明快であること
凛太郎との交際が友人たちに知られてしまった薫子は友人たちに迷惑をかけたくない、その思いからそれを一人で解決しようと考えます。
そんな考えを宇佐美翔平が友人たちを代表して一蹴してくれます。
一緒に遊んだりするのはそれが楽しいから。
一緒にいる誰かが嬉しそうにしていたら、嬉しい。悲しそうにしていたら、悲しい。
とても単純な話で、それが友達だ、と。
人間がなぜか、ごちゃごちゃ難しいロジックで考えてしまう問いに対して、簡単に明確な答えを示してくれる描写がとても印象に残りました。 - 薫子が初めてみせる弱さ
本巻では、この物語が始まってから、常に明るく元気に凛太郎の手を優しく引いてきた薫子の弱さが表現されています。
常に誰かのヒーローであり続ける彼女も、まだ高校二年生で誰かに守られるべき存在であるはずなのですが、彼女の強さがそのことを忘れてさせていたのかもしれません。 - 他人が眩しいがゆえに、自分の影が色濃く見えてしまう瞬間がリアルに描かれている
千鳥組と桔梗組で話し合いが行われることになり、少しずつ互いの間にあった壁にひびが入り始める中、桔梗組の一人、沢渡亜由美(さわたりあゆみ)だけは壁だけではなく自分の足元のひびが大きくなっていくことを感じていました。
それは、彼女がずっと見ないふりをしてきたもので、でももう見ないふりが出来ない位に大きくなっていき。
千鳥と桔梗の壁、それをメインテーマに進んでいく本巻の中で、一人だけ壁に対する考え方の違いとそれを表現している心理描写と絵が本当にリアルに表現されていて凄いんです。
ストーリーの感想
遂に凛太郎との交際を桔梗の友人たちに知られてしまった薫子。
必死に説明しようとする中、拒絶ともとれる反応を目の当たりにしてしまい、それ以上何も言えずその場は別れることになってしまいます。
そんな帰り道、凛太郎にだけは気丈な姿を見せる薫子が逆に辛そうで読んでいて心を抉られました。
本巻はそんな薫子の為に、友人たちが立ち上がるところから始まります。
これまで沢山の勇気と元気を薫子から貰ってきた凛太郎と昂を筆頭に翔平、朔、絢斗たちもこの難問に立ち向かうべく立ち上がります。
和栗さんがピンチ!?俺たちは何ができる??とナチュラルに協力してくれる友人たちが本当に最高で、これはこれまで共に積み重ねてきた時間がこうさせているのだと考えると本当に感慨深いですよね。
安心感が凄いです(笑)
友人たちの心強さに安心感を持つ一方で、当の本人、薫子は内心不安で押しつぶされそうな気持でいっぱいでした。
そんな彼女の不安な様子に気付かない凛太郎ではありません。もう彼は昔の彼ではないのです。
薫子が自分にしてくれたこと、与えてくれたもの、そのすべてを今度は自分が彼女にしてあげたい、一緒に支えたいと真っすぐに伝えてくれます。
それと同時に自分の覚悟を形にするためにある決断を下します。
出会った頃から自分にとっては憧れの存在だった。今に至るまでもずっと心の支えであったにも関わらず、それを上回るほど大きな優しさで自分の手を握ってくれる凛太郎を前に少しずつ弱音を言葉にする薫子が本当に印象的でした。

本巻のもう一つの見所は千鳥と桔梗の壁にまた変化が起こることに加えて、その壁を心の支えとしていた少女、沢渡亜由美という少女の相反する気持ちのぶつかり合いです。
桔梗の友人たちに、自分たちの友人である千鳥組のことを知ってもらうために、話し合いの場を設けた昂。
そこに集まった人たちのほとんどがお互いを知って、誤解を解きたいと考えていたと思います。
しかし、桔梗組の沢渡亜由美だけは、他の誰とも違った考えを持っていました。
彼女にとって千鳥とは隣にある底辺の馬鹿高校。
それは彼女が抱える”あるコンプレックス”から生じる考えで、それに加えて自分という人間を心底嫌ってしまっている彼女が持つ、薫子と出会う前の凛太郎が抱いていたものとはまた少し異なる気持ちが彼女を徐々に暗闇へと誘っていました。
そして、凛太郎たちを知り、そこに集まった人たちの間にある壁のひびが大きくなっていくにつれて、彼女の足元にだけ存在する”ひび”もまた大きくなっていく描写が非常に上手く描かれていて本当に凄いんです。
自分の事が大嫌いで、そんな自分の周りにいる大好きで、でも自分の影をより濃く表現してしまう太陽みたいな人々の存在に苦しむ描写が非常にリアルに描かれていて読んでいて心がキュッとしてしまう瞬間も。。。
しかし、そんな自分を大嫌いな彼女の事を大好きな友人たちが放っておくわけがありません。
暗闇に落ちていきそうな彼女の手を必死につかむ薫子たちとの友情も必見です。

キャラクターについての感想
- 紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)
大切な恋人の大ピンチに自分の考えや想いを真っすぐに薫子に伝える彼の姿は出会った頃と比較して別人!?と思う程に逞しく成長しているなと感じました。
そしてそんな大切な人の為にする大きな決断にも心打たれました。。。 - 沢渡 真由美(さわたり まゆみ)
薫子と昂の親友である少女。
薫子と凛太郎の関係を知って、今まで見ないふりをしていた自分のコンプレックスと向き合うことになります。
彼女の想いや告白が痛いほど伝わってくる構成と絵が読者の心にドカンと衝撃を与えてくることに加えて、そんな彼女とずっと一緒にいた友人たちの言葉にも注目です。
筆者の感想
薫る花は凛と咲く第9巻。
遂にこの時がきたか、というのが第一声です。
薫子にとってこのことは、いつか必ず向き合わなければならないこととして心の中に存在していたんですよね。
その瞬間が遂にやってきて、私の方が慌てふためいていたかもしれません(笑)
本巻でフォーカスされる沢渡亜由美さんにも感情移入し過ぎて涙が止まらない(泣)
とにかくいつも通り、いやいつも以上に内容がぎっしりと詰まった最高の9巻でした。
第10巻感想はこちら👇
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