
原作:南野海風
漫画:古代甲
ジャンル:異世界ファンタジー
掲載サイト:マンガUP!
発表期間:2022年11月17 ~
刊行巻数:7巻(2025/09/10 現在)
あらすじ
かつての記憶、それは遥か彼方に置き去りにした泡沫の夢のように朧げに霞んでは現れてを繰り返す。
薄暗い闇のような空間に木霊するのは闘争の意志、自分よりも強い存在に出会いその戦いの中で力及ばず倒れたかったという後悔。
いくつもの屍の上を歩きながらも自らはその屍に加わることを許されず、今度こそは、と願いながら暗い闇の中をただひたすらに突き進む。
『ーーーー私を殺すモノを きっと 探し出そう』
少女が目を覚ますとそこは知らない世界だった。
彼女が戸惑う間もなく近くにいたローブを纏った怪しげな人物が慌てて語りかけてくる。
その身体は貴人の娘さんのもので両親が病の娘を助けるために大金で俺を雇った、と。しかし時すでに遅しで、反魂の法を使い代わりに別の魂を少女の身体に宿したのだという。
そんな言葉と共に姿を消した男を追う気力もない少女だったが、それよりも気になるのは自分はいったい誰なのかということ。
感じるのは内から溢れでてくる闘争の本能で、血沸き肉躍る戦場がきっと自分を思い出すきっかけになるだろうと言い聞かせる。
そして、本来この身体を生きるはずだった少女の明日も背負って生きていこうと決心する。
これは、無数に存在する英雄譚の中でも一番有名なものとして歴史の一ページにその名を刻む少女、『凶乱令嬢ニア・リストン』の未来を大きく動かしていく物語。
おすすめのポイントを三つ紹介!
- 最強の少女が他を圧倒する爽快感が良い!
主人公のニア・リストンは見た目は深窓の令嬢、しかし中身は生粋の戦闘狂で、血沸き肉躍る展開が大好きです。
常に自分よりも強い存在を求め、それが叶わなければ相手が何人いようとも完膚なきまでに蹂躙します。しかも、争いの前兆を察知したときの恍惚とした表情が可愛らしくもあり、怖くもありなんとも言えないスパイスが効いていて良いです(笑)
余裕の表情を浮かべた悪い大人たちを年端も行かない少女が圧倒的な武力でねじ伏せていく展開が爽快感抜群で最高です。 - バトルだけじゃない、この世界の文化の発展にも目を向けた重厚なストーリー
前世の記憶もオリジナルのニアの記憶もない身体で、転生した理由はなんなのか、転生前の自分は何をしていたのかという謎を抱えつつも、ニア・リストンという少女として今を全力で楽しむことを本筋としたストーリーになっています。
そして、この時代から導入され始めた魔法映像という言わばテレビのようなものを社会に浸透させていく過程での試行錯誤と、そこで出会う人々との触れ合いがとても重厚に描かれていて一巻一巻がとてもボリュームたっぷりになっています。 - 凶乱令嬢に負けてない、個性強々のキャラクター達
本作の主人公のニアは見た目はとても可愛らしく守ってあげたくなるような令嬢ですが、常に闘いを求め、嬉々とした表情で自分から進んで厄介ごとに飛び込んでいく個性激強キャラです。
彼女の中身を知った人間のほとんどがドン引きしますが、中にはそんな彼女を愛おしいと思うキャラや、ハァハァするキャラが登場します(笑)
その他にも、実父に毒を吐く王女やバーを営む殺し屋といった本当に魅力的なキャラクター達が数多く登場します。
彼らの絡みが本当に面白いんです。
どんな人におすすめ?
- 主人公最強が大好きな人
- 作品の世界観にじっくりと浸かりたい人
- 可愛いけれど一癖あるキャラクターが好きな人
イラスト!!
- 美しさと少しの狂気をはらんだ絵がとても良い

- 迷言『良心の傷まない拳とは気持ちいいものだ』

キャラクター紹介
- 名前:ニア・リストン
- 登場巻:第1巻~
- 立ち位置:本作の主人公
【紹介】
妖精のような見た目をした生粋の戦闘狂。
ニア・リストン本人ではなく、彼女の身体に魂だけ転生した存在。
前世の記憶もオリジナルのニアの記憶も持っていないが、そのことを気にしておらず、血沸き肉躍る戦闘の中でいつかきっと思い出す日が来ると信じ込んでいる。
自分より強い存在を常に求めており、素質がある人物に対しては自らが指南したりもする。
- 名前:リノキス・ファンク
- 登場巻:第1巻~
- 立ち位置:ニアの専属侍従
【紹介】
ニアが大好きな侍従。
ニアのお世話をメインとしているが、護衛も兼任しているため戦闘力が高い。
戦闘狂としてのニアの一面を知る数少ない人物であるが、そんな彼女の本性を知ってもなお、主と崇め愛おしい存在と感じている。
あまりに愛が重いため、ニアからは偶に敬遠されている。
- 名前:アンゼル
- 登場巻:第1巻~
- 立ち位置:裏社会の人間
【紹介】
裏社会では名の通った人間。
面倒なことを好まないが、断れぬ依頼からニアと戦うことになるが、完膚なきまでに叩きのめされる。
その後は、街中でバーを開きニアに裏社会の情報を流したりしている。
- 名前:ヒルデトーラ・アルトワール
- 登場巻:第1巻~
- 立ち位置:アルトワール王国第三王女
【紹介】
ニアの学友であり、彼女とその家でもあるリストン家が推す魔法映像に目を付けている。
年齢の割には非常に大人びており、国王の実父をとても嫌っている。
読んだ感想・レビュー
天使のような見た目に狂犬の魂を宿した少女、ニア・リストンによる痛快異世界エンタメ、『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双記録』。
シリアスになり過ぎず、しかし一定の緊張感とギャグがバランスよく調和した最高の作品です。
本作の魅力は何と言っても主人公のニアがその圧倒的な武力で世の強者たちをねじ伏せていく展開にあります。
普段は天使のように可愛らしいのに、ひとたび戦場に舞い降りれば狂気をはらんだその瞳でどんな相手であろうと容赦なく蹂躙します。
このギャップが本当に素晴らしいです。
沢山の経験を積んで少しずつ成長した主人公がいろいろな葛藤を抱えながらギリギリかつ手に汗握る闘いも非常に魅力的なのですが、本作の主人公は高笑いし、恍惚とした笑みを浮かべながら相手を屠ります。
しかし、戦闘狂であるニアも家族や友人たちにはとても優しく、身内には冷徹な矛を向けません。
ですので、武人としての強さの他に、人間としての強さも持ち合わせた、ある意味で既に完成されたキャラクターだと言えます。
このギャップが戦闘時に見せる狂気染みた彼女の姿を怖いと思わせるのではなく、格好良いと感じさせるのが、この作品の”上手さ”なのです。
(いや、ちょっと怖いが勝つかもしれません(笑))

この世界には魔晶板というiP〇dのような端末を使って魔法映像をみることができ、そこに可能性を見出したリストン家(ニアの実家)が事業拡大を狙っています。
魔晶板のシェア拡大によるリストン家の繁栄を目的に、ニアと仲間たちは試行錯誤を繰り返し様々な視点からアプローチしていくことになりますが、このあたりの話がバトルパートとは打って変わって事細かに描かれていて、とても読みごたえがあります。
ギャグ描写も散りばめられているため、非常に読みやすく理解しやすいため、全く飽きがこない構成になっているのがポイントです。
つまり、ボリュームたっぷりでとっても読みやすい作品になっているということです。
また本作は主人公ニアの個性だけでもお腹いっぱいになれるのですが、彼女を取り巻く登場人物たちも負けず劣らず個性的です。
個性的なキャラクター同士が絡むとどうなるか、楽しくないわけがないですよね(笑)
変態侍従たちに腹黒王女、どう見ても堅気じゃないバーテンダーと、これからも恐らくもっと沢山個性的なキャラクター達が増えていくことは間違いないでしょうが、彼等が今度どのような物語を紡いでいくのか今から楽しみではありませんか?

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